❶ 藤倉大/Gliding Wings(日本初演)
Dai Fujikura: Gliding Wings(Japan Premiere)
吉田誠(クラリネット)、菊地秀夫(クラリネット)、アンサンブル・ノマド(指揮:佐藤紀雄)
Makoto Yoshida(Clarinet), Hideo Kikuchi(Clarinet), Ensemble NOMAD(Conductor: Norio Sato)
二羽の鳥(クラリネット)が空で自由に、でも一緒に気を遣いながら飛び、それに絡まる風が弦楽器、という感じでしょうか。時には地上近くに降りてきて、地面すれすれに飛んだり、一気に高い位置まで飛んだりします。そんなイメージの曲です。
❷ 八木美知依/水晶の夢
Michiyo Yagi: Dream of the Crystal
八木美知依(筝)
Michiyo Yagi (Koto)
2012年にダンサー・振付家、木野彩子と共に静御前をテーマとした『黒静』を制作。BankART Studio NYK 3Cギャラリーにて初演しました。
「水晶の夢」はその演目の挿入曲の一つです。静御前にまつわる悲哀と彼女のたくましい生き様、そして木野さんの緩急ある美しい動きに触発されて書いた曲です。
2014年、同会場の2Bギャラリーという壮大な倉庫で『白静』として再構築しました。
現在、活動がままならない状況にありますが、久しぶりに再演させて頂ける事を深く感謝しています。コロナ禍収束への思いを込めて演奏したいと思っています。(八木美知依)
昨年の八木さんの反響は素晴らしいものでした。昨年のボンクリ本番後に、八木さんから「来年も出たい!」とメールをいただきました。多ジャンルで世界的に活躍する八木さんにそう思っていただけるだけで嬉しいです。八木さんに全てを任せているので、どんな曲かは僕もわかりません。本番で聞くのが待ち遠しいです。
❸ ハイナー・ゲッベルス/サロゲイト-ピアノと打楽器、声のための-(日本初演)
Heiner Goebbels: Surrogate for Piano, Percussion&Voice(Japan Premiere)
アンサンブル・ノマド、ダースレイダー(声)
Ensemble NOMAD, DARTHREIDER(Voice)
僕が大学時代にゲッベルスの全く見たこともない彼の音楽のアプローチにびっくりしたものでした。この作品は「声」が大変重要になります。ラッパーでもあるダースレイダーさんがどう表現なさるか、楽しみでなりません。
❹ 牛島安希子/Distorted Melody(日本初演)
Akiko Ushijima: Distorted Melody(Japan Premiere)
アンサンブル・ノマド
Ensemble NOMAD
映像作家との共同作業や様々なメディアを使った創作活動を活発に行っている牛島さんの柔軟な創作姿勢は、ジャズやロックや現代音楽の要素を自由に往来する今日の作品にも鮮明に表れています。 “ゆがめられた旋律”という意味をもつタイトルのこの曲には、随所に屈折するリズムが仕掛けられており、6人の奏者は精緻かつスリリングなリズムを最大の集中力で乗り越えてゆきますが、お客様にもそのスリルを一緒に味わって頂けると思います。(佐藤紀雄)
この作品は、佐藤紀雄さんの推薦です。とても気持ちのよい作品だと思い、是非ボンクリで!と思いました。
❺ 蒲池愛&永見竜生[Nagie]/
between water and ray-グラスハープとライブエレクトロニクスのための-
Ai Kamachi&Tatsuo Nagami[Nagie]: between water and ray for glass harp and electronics live
大久保利奈(グラスハープ)、永見竜生[Nagie](エレクトロニクス)
Rina Okubo(Glass harp), Tatsuo Nagami[Nagie](Electronics)
ボンクリにも深く関わってくださった作曲家 蒲池愛さんが今年5月に急逝されました。その愛さんが残した大変ユニークなグラスハープと光(照明)のための実験作品を急遽、追悼演奏することにしました。作品を通して愛さんとの時間を一緒に過ごしましょう。
❻ 大友良英/新作(世界初演)
Otomo Yoshihide: New work (World Premiere)
大友良英、アンサンブル・ノマド、ノマド・キッズ
Otomo Yoshihide, Ensemble NOMAD, NOMAD Kids
僕が個人的にファンである大友良英さん。いつもいいなあ、僕もああやって音楽作りができたらいいのにと憧れをもって観察し、勉強させていただいています。今年も是非とお願いしたら、「また新曲を書きたい!」とおっしゃられたので、お願いすることに。今年はノマドキッズとも。
❼ 坂本龍一/パサージュ(日本初演)
Ryuichi Sakamoto: Passage (Japan Premiere)
アンサンブル・ノマド
Ensemble NOMAD
この作品を日本初演できないかを坂本龍一さんに聞きました。実際は、委嘱先からの独占期間中だったのですが、特別に日本初演をボンクリでできるようになりました。この作品が日本語ではどうなるのかが楽しみです。
❽ 藤倉大/Longing from afar[ライブ版](世界初演)
Dai Fujikura: Longing from afar[Live version](World Premiere)
アンサンブル・ノマド、ノマド・キッズ ほか
Ensemble NOMAD, NOMAD Kids etc.
この作品はもともと、リモート演奏のために作ったもので、今では雅楽から、交響楽団ヴァージョンなど沢山あり、まだ増え続けています。アンサンブル・ノマド、ノマドキッズで演奏したものが、今のところ一番ワイルドです。だったら「今ならでは」ということで、この曲を是非ライブで!ということで決まりました。作品にはかなりな自由度があります。佐藤紀雄さん率いるノマドファミリーがどう調理するか、ぜひご期待ください。